介護離職を防ぐために、令和7年4月から仕事と介護の両立支援制度の強化が義務化されます。介護の制度を導入時に利用できる助成金もございますので、お気軽にお問い合わせください。
施策の概要
高齢者人口の増加とともに、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数は増加しており、今後、団塊世代が70歳代に突入することに伴いその傾向は続くことが見込まれます。
介護者は、とりわけ働き盛り世代で、企業の中核を担う労働者であることが多く、企業において管理職として活躍する方や職責の重い仕事に従事する方も少なくありません。
そうした中、介護は育児と異なり突発的に問題が発生することや、介護を行う期間・方策も多種多様であることから、仕事と介護の両立が困難となることも考えられます。
このため、厚生労働省では、育児・介護休業法に定められた介護休業制度などの周知徹底を図り、企業及び労働者の課題を把握し事例集を作成するなど、介護を行っている労働者の継続就業を促進しています。
今回の法改正には、主に以下の4つの変更点があります。
意向を確認する義務
労働者が家族の介護の必要性を事業主に申し出た際、事業主は介護両立支援制度について個別に周知し、意向を確認する義務を負います。
この制度により、労働者が利用可能な制度を確実に把握でき、適切なサポートを受けられるようになります。また事業主は申し出に対して、不利益な取り扱いはできなくなります。
環境を整備する義務
労働者が40歳になるタイミング(介護保険第2号被保険者になる)において、事業主は労働者に対して、介護両立支援制度に関する情報提供を行うことが義務付けられます。
労働者への研修や相談体制の整備を含む雇用環境の整備も必要になります。その為、労働者が将来的に介護が必要になった際に、事前に必要な知識とサポートを得られます。
労使協定の対象範囲の変更
労使協定に基づき勤続6か月未満の労働者の介護休暇を除外することができましたが、除外規定が廃止され、勤続期間に関わらず、全ての労働者が介護休暇を取得できるようになります。
テレワーク推進の必要性
家族を介護する労働者が介護休業を取得していない場合、事業主が新たにテレワークを推進できます。これにより、介護と仕事の両立がより柔軟に行えるようになります。テレワークを導入し、勤務しながら介護を行うことで、労働者に大きな助けになります。